発生

発生

吟詠とも呼ばれている詩吟ですが、これらは漢詩や和歌などに旋律をつけて歌うことをいいます。吟詠の世界のなかでは歌うことを吟じるともいうのです。
吟詠の旋律自体、自然発生的に発展してきたものと考えられており、音階に関しても洋楽の7音階のような確固たる理論は持っていないのです。

集会の後などにおいて即効で作った詩を読みあげていたものが自然発生的にこれを歌い上げる形ができてきたことが詩吟の誕生となったことなのでしょう。
しかし詩文のなかには激烈な詩の内容ともなっているものがあったといわれており、普通にたんたんと読みあげていくだけでは読む当人としても周囲からも満足できなかったのかもしれませんね。詩吟の表現をより高めるためには起伏を上げ下げしていったほうがより楽しめるものとなっているのです。

詩吟は江戸時代において発生し、幅広く世間に発展していったともいわれています。昔では、詩吟自ら邦楽に背を向けて仲間はずれという形で独自に進めていったものとされています。邦楽の仲間入りをしようとはしなかったのです。
それが、武士の間から多くの民たちへと伝わっていき、多くの人たちへと繋がっていく伝統の一つとなっていったようですね。

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